17-18 AW メンズコレクション 「レイヤードスタイル」
今回のコレクションの中で気になったレイヤードの着こなしを紹介していきたいと思います。
まずはMBさんのメルマガでも紹介されていたレイヤードテクニックです。
「タートルネック × ○○」
メルマガではユニクロのヒートテックのタートルネックが使われていたと思います。
MBロジックでもお馴染みの3首(首、手首、足首)は特に目立つ所であり視線が集まりやすい所です。
タートルネックの効果としては首に視線が集まりやすくなるので
シルエットにメリハリがなくても全体的に整っているような印象を与えることができます。<視覚効果>
そして顔の近くに布があることで顔を小さく見せることができます。<小顔効果>
さらに冬場でもお気に入りのシャツをインナーの主役として使うことができます。<延命措置>
もちろん首元を温めることができます。<防寒対策>
こういう風に挙げていくと良いところだらけですね。(MBさんの毎週のメルマガに感謝感謝ですね。)
そんな目立つ部分の首元を各ブランドがどのように着こなしているのか見ていきましょう。
「タートルネック × シャツ」
左「アミ アレクサンドル マテュッシ (AMI Alexandre Mattiussi)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28430/490006
中「リュシオル ジャンピエール (LUCIOLE JEAN PIERRE)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/29669/512744
右「オーエーエムシー (OAMC)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28567/492196
この3ブランドのレイヤードスタイルはMBロジック的にすごくバランスがとれていると思います。
ドレスとカジュアルのバランスで言うと
「左(カジュアルライク)←←←中→→→右(ドレスライク)」って感じですかね。
3ブランドとも「タートルネック × シャツ × 黒のパンツ」という着こなしです。
「アミ アレクサンドル マテュッシ」はブラウンのタートルネックに
ワッペン付きのブルーのシャツにスラックス。黒のキャップに白スニーカー。
上下ルーズなシルエットになっています。
そして中途半端にタックインをしてギークトレンドな着こなしをしています。
少しカジュアルライクな着こなしですよね。
印象を左右する先端部分にカジュアルアイテムの黒キャップと白スニーカーを使っていますからね。
黒スニーカーにして目立たせないようにするとバランス良くなりそうですけど、
個人的にはすごく好きな着こなしです。
ブラウンのタートルネックにブルーのシャツという色の合わせ方が素敵ですし差別化になりそうです。
学生っぽくならないように注意ですけどね。
「リュシオル ジャンピエール」は黒のタートルに白のノーカラーシャツ
黒スキニーに白スニーカー。Iラインシルエットでモノトーンな着こなし。
黒タートル部分にロゴが入っていて、白シャツと黒スキニーの裾部分が切りっぱなしのフレイドヘム処理がされています。
トップスの先端部分の首元と裾、ボトムスの先端部分の裾、
この印象を左右する先端部分を使って「脱地味」を表現しています。
「オーエーエムシー」は黒のセットアップにインナーは黒タートルに白シャツというドレススタイル。
そこにバランスを取るように黒スニーカー。白シャツも黒の柄入り。
ジャケットにはシルバーのアクセサリーを付けて「装飾性」をプラスしています。
こういうシルバーのアクセサリーの使い方は「カズユキクマガイ」でも見られました。
その辺りはまた次回やります。
地味になりがちなモノトーンのセットアップスタイルを
黒のタートルと白シャツの柄、ジャケットに付けたシルバーのアクセサリーで
「脱地味」を実現しています。
「タートルネック × セットアップ × アウター」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28635/499495
右「ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28429/489976
見える面積は本当にちょっと。
ほんとちょっとしたレイヤードなんですけど首元なので目立ちませんか?
着こなしは両ブランドとも似てますね。
デザインは黒タートル × セットアップ × アウター。
シルエットはYラインシルエット。
「ホワイトマウンテニアリング」はモノトーンカラーと柄。違いはこの部分ですね。
この秋冬コレクションからラフシモンズがチーフクリエイティブオフィサーに就任した「カルバン・クライン」。
ショーの方は最近流行りの男女合同ショー形式になりました。
全64のルックの内、16のルックにタートルネックが使われていました。全体の25%になります。
この秋冬のトレンドアイテムになるんでしょうか。
MBさんの言葉で「流行のシャワー効果」というのがありますけど、シャワー降ってくるんでしょうか。
タートルネックを使った「カルバン・クライン」のルックになります。
もちろんこの他にもタートルネックを使ったルックはあります。
左、中、右、「カルバン・クライン(Calvin Klein)」
左 https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28635/499498
中 https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28635/499483
右 https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28635/499493
「タートルネック × 柄シャツ」
左「イロコイ(Iroquois)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/30850/531729
中「バリー(Bally)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/29274/504549
右「ネーム(Name.)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/29757/514925
「イロコイ」のはモックネックですけど、タートルネックという言葉で統一しています。
どうですか?柄シャツだけで充分「脱地味」になっていると思うんですけど。
そこに「 + タートルネック」。
「赤のタートルネック」
左「サカイ(sacai)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28425/489730
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28635/499496
右「アンドレア ポンピリオ(ANDREA POMPILIO)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28464/490880
この秋冬のコレクションの中でもよく見る色「赤」。
しかもビビッドカラーの赤が使われています。
ビビッドな赤のストールやマフラーを巻く勇気はないですけど、これならどうですか。
視線が集まりやすい首元なので見える面積はほんの少しでもインパクトがあります。
しかもやり過ぎになっていません(←ここ重要ですね)
自然な印象で差別化に繋げることができていると思います。
「ボーダーのタートルネック」
左「リュシオル ジャンピエール(LUCIOLE_JEAN PIERRE)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/29669/512746
中「マルニ(MARNI)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28238/484990
右「マルニ(MARNI)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/28238/484950
モノトーン、寒色系、暖色系のボーダーのタートルネックになります。
今まで紹介してきたのは無地でしたけど
ボーダー柄という事で少しカジュアルライクになります。
なのでドレスライクなセットアップに合わせたり、
全体を同系色にまとめて自然に見えるようにしているんでしょうね。
タートルネックはここまでにします。
続いてこのレイヤードです。
「パーカー × ニット」
左「マーカウェア(MARKAWARE)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/30401/525031
右「アイディーデイリーウェア(ID DAILYWEAR)」
https://s.fashion-press.net/collections/gallery/30310/523493
このレイヤードすごく素敵だなと思って取り上げてみました。
タートルネックと共通している部分は首元の印象に影響を与えること。
違う部分は見える面積ですかね。
そしてその見える物がフード。フードはドレスでは使われないカジュアル要素。
このカジュアル要素の使い方がすごく参考になります。
共通している部分は「パーカー × ニット × スラックス」。
パーカーと言ってもコットンパーカーのようなカジュアルなものではありません。
「マーカウェア」のパーカーは綺麗な艶とハリがあるタイプ。
「アイディーデイリーウェア」のパーカーはニット素材だと思います。
どちらもカジュアル要素のフードをカジュアルアイテムのパーカーを
ドレスで使われる素材にしています。
「マーカウェア」
ニットはドロップショルダーで袖がダボついているのでルーズな印象。
でももうひとつの先端部分の裾の着丈が長すぎないのでスッキリな印象。
インナーのパーカーの裾を見せるために少し中に折り返しているんでしょうけど
なんかすごく不思議というか、ほんと先端部分って大事なんだなと。
袖の部分を指で隠してみると、スッキリ。裾を隠してみるとルーズ。
という事でルーズなシルエットなんですけど、やり過ぎになっていない印象ですかね。
先端部分の印象って面白いですよね。
インナーにシャツ、ボトムスはワイドテーパードスラックスに黒のスニーカー。
ドレスライクなアイテムを使い、パーカーと色、ルーズ過ぎないシルエットで
バランスを取った着こなしになっています。
「アイディーデイリーウェア」
共通しているアイテムに加えてブーツを使っています。
こちらはフードと色でカジュアルにバランスを取っています。
ブーツの紐もニットと同じ黄色にしています。
トップスのシルエットがボリュームが少し中途半端なので
ボトムスを細く見せるために大胆にロールアップしているんでしょうね。
パーカーといえばカジュアルダウンに使っていましたけど
素材が変わることでカジュアルになりすぎることなくドレスな印象を
与えることができるんですね。
またMBパーカー作ってほしいな。